ホンジュラス当局、前大統領の逮捕状再発布、トランプ恩赦で釈放
検事総長は2013年の選挙活動で盗用された公金による資金洗浄や詐欺の疑いで2013年に発令された逮捕命令を再発布するよう国内機関に指示。国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)にも逮捕状の発出を求めた。
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ホンジュラス当局は8日、トランプ(Donald Trump)米大統領の恩赦により釈放されたエルナンデス(Juan Orlando Hernandez)前大統領の国際逮捕状を再発行した。
地元メディアによると、検事総長は2013年の選挙活動で盗用された公金による資金洗浄や詐欺の疑いで2013年に発令された逮捕命令を再発布するよう国内機関に指示。国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)にも逮捕状の発出を求めた。
この逮捕命令は公的資金が非政府組織(NGO)を介して政党や選挙キャンペーンに流れていた疑惑に基づいている。検察側はこの資金がヘルナンデス氏の2013年大統領選キャンペーンやその後の政治活動に転用されたと主張している。
エルナンデス氏は2022年、任期満了後に逮捕。米国に身柄を引き渡され、麻薬密輸と武器関連の罪で起訴された。2024年にはニューヨーク連邦裁判所で有罪判決を受け、銃器所持や麻薬輸送の共謀などで45年の禁錮刑を言い渡された。検察はエルナンデス氏がホンジュラスを「ナルコ国家」に変質させた中心人物と断じていた。
しかし、トランプ氏は今月、エルナンデス氏を赦免。ホンジュラスへの帰国可能性が取りざたされていた。これに対し、ホンジュラス当局は米国での恩赦が国内での法的責任を無効化するものではないと強調し、未解決の疑惑については引き続き追及する姿勢を示していた。
一方、エルナンデス氏側は弁護士を通じてこれらの告発を「政治的動機によるもので根拠がない」と批判。今回の動きを政敵による報復と位置付けている。
この混乱は同国で2025年11月末に実施された大統領選挙の真っ只中で起きた。恩赦表明のタイミングは選挙直前であり、恩赦の決定をめぐって国内外から強い批判と混乱を招いていた。現在も次期大統領の座をめぐる争いは確定しておらず、政治的不安定さが続いている。
今回の逮捕状発布はトランプ政権の恩赦が、必ずしも別の国での法的責任を消すものではないという明確なメッセージである。エルナンデス氏の帰国の行方や、ホンジュラス国内での今後の手続きがどう展開するかが注目される。
