ホンジュラス大統領選、開票作業進まず、焦る選管、国民イライラ
この週末、データはほとんど更新されず、都市部や地方の有権者のあいだには「開票が止まったまま」「もう何日経っても結果が出ない」との不満が広がっている。
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中米ホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙について、開票作業が遅れ、国民のあいだで苛立ちが募っている。
選挙管理委員会によると、7日時点の開票率は88%。トランプ(Donald Trump)米大統領の支持を受ける右派の国民党ナスリ・アスフラ(Nasry Asfura)氏の得票率は40.19%、中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏は39.49%、両者の差は2万票あまりにとどまっている。
左派の与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.30%、逆転の可能性はほぼゼロである。
この週末、データはほとんど更新されず、都市部や地方の有権者のあいだには「開票が止まったまま」「もう何日経っても結果が出ない」との不満が広がっている。
ある町で投票した歯科医はロイター通信の取材に対し、「数日間、票の数が変わっていない。選挙から1週間経つのにまだ何も分からない」と語った。学生も「正直、選管(CNE)は信用できない」と漏らし、民主主義プロセスへの不信感を隠さない。
選挙当日は平穏だったと独立系選挙監視団も報告しているが、速報システムや開票プラットフォームの不具合によって手作業での再集計を余儀なくされるなど、結果の報告手続きは混乱をきたしている。
開票停止の理由について、投票集計プラットフォームを担当する会社「Grupo ASD」のシステムメンテナンスや契約不履行が挙げられ、選管の関係者も「重大な過失だ」と非難している。
こうした遅延は投票率や両候補の差に加え、「票の14%で不整合がみられる」という公式発表もあり、国民の間に「不正ではないか」「結果が操作されるのではないか」という疑念を呼んでいる。これを受け、米州機構(OAS)など国際選挙監視団体は、開票作業の迅速かつ透明な実施と公表を求めている。
一方で、首都テグシガルパを含む各都市では現在のところ大きな混乱や抗議行動は起きておらず、街は比較的落ち着いている。ただ、結果が確定せず候補すら定まらない状況が続けば、政治的・社会的な不安が広がる可能性は小さくない。
今回の混迷は票集計手続きの不備や管理体制への不信感を浮き彫りにしている。ホンジュラス国民にとって、いま求められているのは「公平で明快な決着」と「信頼の回復」である。
