SHARE:

ホンジュラス大統領選、開票作業7日目に突入、右派と中道の一騎打ち

開票率は6日午前の時点で88%、トランプ米大統領の支持を受ける右派の国民党ナスリ・アスフラ氏の得票率は40.19%、中道のナスララ氏は39.49%、両者の差は2万票あまりにとどまっている。
2025年11月30日/ホンジュラス、首都テグシガルパの投票所(ロイター通信)

中米ホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙について、開票作業が7日目に入った。

選挙管理委員会によると、開票率は6日午前の時点で88%、トランプ(Donald Trump)米大統領の支持を受ける右派の国民党ナスリ・アスフラ(Nasry Asfura)氏の得票率は40.19%、中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏は39.49%、両者の差は2万票あまりにとどまっている。

左派の与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.30%、逆転の可能性はほぼゼロである。

投票用紙のうち、およそ14%に不一致や異常が見られ、再点検の対象となっている。開票作業は手作業で進められており、首都テグシガルパは概ね平穏を保っているが、報告の遅れやシステムのトラブルなどが続き、選挙結果の最終判断は先送りとなっている。

この接戦にはトランプ氏の影響が色濃く絡んでいる。トランプ氏はアスフラ氏への支持を表明、さらに麻薬・武器密輸などの罪で米国で有罪判決を受けていたホンジュラスのエルナンデス(Juan Orlando Hernandez)前大統領を赦免した。これは中南米全体での保守ブロック形成を狙う動きの一環とみられており、米国はこの選挙に強い関心を寄せてきた。こうした米国の関与が「外国の圧力」として国内で論争を呼んでいる。

一方で、ナスララ氏側は直前までリードを保っていたため、選挙プロセスの透明性や中立性を巡る疑念もくすぶっている。手作業による開票の遅延やウェブサイトの停止、票の不一致といった事態が相次ぎ、野党は「不正の可能性」を示唆。だが、現時点で不正認定には至っていない。

ホンジュラスの大統領選で決選投票は行われず、最多得票者が当選する。今回のように得票差が小さく、不一致票の割合も高い場合は、最終結果がどちらに転ぶか予断を許さない状況だ。国民や国際社会は残りの票および異常票の扱いが結果を左右すると見守っている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします