ハイチ首都でドローン空爆の犠牲者8人の合同葬、数百人参列
シテ・ソレイユの住民や遺族たちは、4人の子供を含む8人を追悼するため、市内の公園に集まった。
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ハイチ・ポルトープランスのスラム街で5日、先月のドローン空爆で死亡した8人の合同葬が営まれ、数百人が参列した。
空爆はポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」の支配下にあるシテ・ソレイユの住宅地で9月20日夜に発生。正体不明のドローンが爆弾を投下し、9人が死亡、17人が重軽傷を負った。
国家警察と軍はこの空爆に関するコメントを出していない。
ヴィヴ・アンサムはフェイスブックへの投稿で、軍が民間人を殺害したと主張した。
遺族や地元の活動家たちも警察が攻撃したと主張しているが、何が起きたかは分かっていない。
シテ・ソレイユの住民や遺族たちは、4人の子供を含む8人を追悼するため、市内の公園に集まった。
現地メディアによると、合同葬の最中にも近くで爆発音や銃声が鳴り響いたという。
ソーシャルメディアで共有された動画には頭上を飛ぶ鳥をドローンと勘違いし、葬儀場から逃げ出す人々の姿が映っていた。
地元の人権団体は先月、この空爆に合わせて警察の地上部隊がギャングの拠点に押し入り、激しい銃撃になったと報告。民間人3人とギャング構成員4人が死亡し、7人が負傷したとのこと。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは4年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連安全保障理事会は9月30日、ハイチ政府を支援するため、新たな国際部隊を派遣する決議案を採択した。
米国とパナマが共同提出した決議により、現在ケニアが主導するハイチ国連支援ミッション(MSS)は「ギャング鎮圧部隊」に移行する。MSSにはない、ギャングの拘束権限が付与される。
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