◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランス、ギャンググループ「G9&Family」のリーダー(Matias-Delacroix/AP通信)

武装ギャングの支配下に置かれる中米ハイチの首都ポルトープランスで活動する自警団が国家警察の長官を逮捕するよう暫定評議会に要求した。現地メディアが11日に報じた。

報道によると、武装ギャングはポルトープランス西端の港町を10日遅くに襲撃し、警察署を制圧したという。

ソーシャルメディアで共有された動画には警察署を制圧したギャングがすぐ近くの民家やパトカーに火を放つ姿が映っていた。

死傷者が出たかどうかは明らかになっていない。

別のSNS動画にはサンダル履きで重火器を持った男たちが銃撃戦を繰り広げる中、スーツケースやカバンを頭に載せて逃げ惑う人々の姿が映っていた。

武装兵はカメラマンに向かって「この町は俺たちのものだ」と叫んだ。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの推定80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスの大部分を支配するギャング「G9&Family」の指導者である元警察官の通称「バーベキュー(Jimmy "Barbecue" Cherizier)」と対立するギャングは先週、ポルトープランス中心部で大暴れし、3700人以上の住民が避難を余儀なくされた。

このギャングと対峙したという自警団SPNH-17の広報担当はAP通信の取材に対し、「街は地獄と化している」と語った。

また広報担当は国家警察の長官を「無能」「ゴミ野郎」と呼び、暫定評議会に今すぐ逮捕するよう求めた。

先月末発足した暫定評議会はベリゼール(Fritz Belizaire)元スポーツ相を首相に選出したものの、治安が回復する見通しは全く立っていない。

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