武装ギャングがハイチ中部のコミュニティ襲撃、少なくとも50人殺害=報道
▽ギャングは23日にプレバルの住宅地を襲撃し、民家や教会に火を放ち、逃げ惑う市民を虐殺した。
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ハイチ中部プレバルに正体不明の武装ギャングが押し入り、子供含む少なくとも50人が殺害された。地元メディアが24日に報じた。
それによると、ギャングは23日にプレバルの住宅地を襲撃し、民家や教会に火を放ち、逃げ惑う市民を虐殺したという。
AP通信は目撃者の話しとして、「少なくとも50人の遺体が確認されたものの、プレバル全域がギャングの支配下にあるため、虐殺現場にたどり着くことは不可能である」と報じた。
国家警察はコメントを出していない。
ソーシャルメディアで拡散された動画にはギャングとみられる男が地面に並べられた人間の頭部を蹴り飛ばす様子が映っていた。
目撃者によると、このギャングは地元の自警団とその関係者を殺害したとみられる。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
一連の暴力とギャング間抗争により100万人以上が住居を失い、その多くが避難所に身を寄せている。
国連はギャング関連の暴力で昨年死亡した一般人を5600人以上と推定している。
米国務省は今月初め、ヴィヴ・アンサムとグラン・グリフを「外国テロ組織」および「国際テロリスト」に指定した。