ハイチ国家警察が元上院議員を逮捕、ギャングと共謀か
国家警察はフェイスブックに声明を投稿。首都ポルトープランスの富裕層地区にあるレストランで容疑者を逮捕したと明らかにした。
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ハイチ国家警察がギャングとつながりのある元上院議員を逮捕した。現地メディアが2日に報じた。
それによると、逮捕されたのはネル・カシー(Nenel Cassy)元上院議員。国家反逆罪と犯罪組織に資金を提供した罪に問われている。
国家警察はフェイスブックに声明を投稿。首都ポルトープランスの富裕層地区にあるレストランで容疑者を逮捕したと明らかにした。
また警察は手錠をかけられた容疑者の写真も公開した。
米国務省は23年に容疑者を制裁リストに追加。ギャングメンバーを支援したとされる。
地元メディアによると、容疑者の支援を受けたギャングは今年2月、この地区の近くにある集落を襲撃し、生後2か月の乳児を含む数十人を殺害したという。
警察は容疑者の認否を明らかにしていない。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。
在ハイチ・米国大使館は1日、同国を不安定化させようとする汚職が散見されると指摘。同国がさらなる危機に陥る可能性があると警告した。