ハイチ国家警察30周年式典、ギャング暴力激化する中
国家警察は1995年に解散した軍隊に代わる組織として設立された。
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中米ハイチの首都ポルトープランスで先週、国家警察の設立30周年を記念する式典が開かれ、暫定大統領評議会の委員や国連支援ミッションの関係者が出席した。
フィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相は演説で、「武装ギャングが混乱を広げる中、毎日自己犠牲を払いながら戦い続けるすべての警察職員に感謝の意を表する」と語った。
国家警察は1995年に解散した軍隊に代わる組織として設立された。
30年後の現在、警察は同国で唯一機能する治安機関として、武装ギャングが支配エリアを拡大する中、秩序の回復を目指し奮闘している。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連は先週、ギャングがポルトープランスを越えて中央地域に影響力を拡大していると警告。今年1月から5月末までの間に少なくとも2680人がギャング暴力で死亡し、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると明らかにした。
12日に式典には暫定大統領評議会の委員、政府高官、国家警察の長官、国連支援ミッションの司令官、諸外国の外交官などが参加した。
第2の都市カパイシアンでも同様の式典が開催された。