◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
中米ハイチ・ポルトープランスに拠点を置くギャングのリーダーが何者かに殺害された。地元当局が13日、明らかにした。
それによると、アンドリス(Iskar Andrice)と名乗るギャングは数学と物理の教師であったとされ、ポルトープランス近郊のスラム街で抗争に巻き込まれ死亡したという。
地元ラジオ局はポルトープランス元市長の話しとして、「アンドリスはギャング間抗争に巻き込まれたとみられる」と伝えている。
アンドリスが死亡した日は明らかになっていない。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。
国連によると、アンドリスが率いていたとされるギャングは殺人、強盗、恐喝、レイプ、カージャックなど、複数の犯罪に関与していたという。
アンドリスはその後、ハイチ最大のギャング「G9&Family」のリーダーである通称「バーベキュー(Jimmy "Barbecue" Cherizier)」と手を組んだとされる。
国連によると、アンドリスは他のギャングリーダーと同様、2015年に地域平和・開発社会基金を設立。その後、コミュニティの支配権を確立したという。
アンドリスや他のギャングリーダーは市民を標的とする複数の襲撃事件に関与したとされる。