▽ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
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中米ハイチ・首都ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」が近郊の町に侵攻し、少なくとも2つの地区を制圧したとみられる。現地メディアが11日に報じた。
それによると、ヴィヴ・アンサムに参加する3つのギャングが2地区を制圧し、警察官を追い払ったという。
ソーシャルメディアで共有された動画には武装兵が町を練り歩き、空に向けて銃を乱射する様子が映っていた。死傷者が出たかは分かっていない。
AP通信は関係者の話しとして、「2地区が支配されたのは事実である」と伝えている。
国家警察は11日の声明で、「ヴィヴ・アンサムの襲撃を受けた2地区に増援部隊を派遣している」と述べた。
それによると、国家警察の特殊部隊が2地区を奪還する作戦を準備しているという。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。
ロイター通信によると、国家警察の攻撃ドローン部隊が2地区で作戦を開始したとみられる。