スポンサーリンク
▽ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランス、武装ギャング「G9&Family」のリーダー(Matias Delacroix/AP通信)

中米ハイチの国家警察が首都ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」に対する大規模な作戦を開始した。暫定大統領評議会が29日、明らかにした。

現地メディアによると、ヴィヴ・アンサムを率い、同国最大の武装ギャング「G9&Family」の指導者である元警察官の通称「バーベキュー」ことシェリジエ(Jimmy "Barbecue" Cherizier)が潜伏するとされる地区で激しい銃撃戦が繰り広げられているという。

AP通信は当局者の話しとして、「治安部隊がこの地区でギャングの戦闘員数人を殺害した」と伝えている。

それによると、警察は爆発物を搭載した軍用ドローンを投入しているという。

フィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相は29日、警察を称賛し、「2日前に創設された特別タスクフォースが仕事に取り組んでいる」と述べた。

シェリジエはポルトープランスの大部分を支配するヴィヴ・アンサムのリーダーとして恐れられている。

シェリジエは以前、政府に対し、自身を大統領に選出するのであれば、警察への攻撃を停止する用意があると主張していた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は今月初めに勃発。ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

国連支援ミッションを率いるケニア国家警察が今回のギャング掃討作戦に関与しているかは分かっていない。

先週には市内をパトロール中のケニア警察官が襲撃を受け、その後、死亡が確認された。同ミッションの犠牲者はこれで2人となった。

暫定大統領評議会は民主的な選挙を実施するために創設されたが、ギャングの暴力に圧倒されているように見える。一部の専門家は首都陥落の可能性もあると指摘している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク