▽ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
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中米ハイチの国家警察が首都ポルトープランスで最も強力なギャングが支配する地域に入り、大規模な掃討作戦を開始した。政府が1日、明らかにした。
それによると、国連支援ミッションが後方支援に当たり、数人のギャングを殺害したという。
この地区は同国最大の武装ギャング「G9&Family」の指導者である元警察官の通称「バーベキュー」ことシェリジエ(Jimmy "Barbecue" Cherizier)が統治しているとされる。
AP通信は警察関係者の話しとして、「爆発物を搭載した軍用ドローンを投入している」と報じた。
フィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)暫定首相は声明でこの作戦を称賛。「治安を改善するために2日前に創設された特別タスクフォースが素晴らしい成果を上げている」と述べた。
シェリジエはポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」のリーダーである。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
現地メディアによると、掃討作戦が始まった地区では1日未明から爆発音と銃声が鳴り響いているという。
ケニア当局は先週、国連支援ミッションを率いるケニア国家警察の隊員1人がギャングとの戦闘で死亡したと明らかにしていた。