◎ハイチの治安は昨年7月のモイーズ大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ警察は26日、首都ポルトープランスにある警察学校の所長が何者かに殺害されたと発表した。
警察の報道官によると、所長は学校の入り口付近で25日遅くに射殺されたという。
ソーシャルメディアで共有された動画には、所長とみられる男性の遺体と野次馬が映っていた。
ハイチの治安は昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは4カ月ほど前からG9&Familyなどの武装ギャングが地域の支配権をめぐって戦闘を繰り広げている。国連によると、7月中旬以降の市内の死者と行方不明者は数百人に達し、10万人以上が避難民になったという。
警察に対するギャングの攻撃は珍しくなく、この数カ月で警察官数十人が死亡したと伝えられている。
警察の報道官は26日の声明で、「所長を乗せた公用車は学校の入り口付近で待ち伏せ攻撃を受けた」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
G9&Familyはポルトープランスの60%を支配したと推定されており、銃撃戦は日常茶飯事である。
この武装ギャングは今月初め、市内の主要な燃料ターミナルを解放した。これにより、市内のガソリンスタンドに燃料が行き渡るようになり、混乱は多少緩和されたようだ。
アンリ(Ariel Henry)首相は国連に軍事介入を求め、ギャングを掃討するよう訴えている。米国とカナダは警察に装甲車と装備を供与した。
国連によると、ポルトープランスなどの都市部ではコレラが蔓延し、数千人が治療を受けられずにいるという。