◎同空港は11月中旬、格安航空会社スピリット航空の旅客機が着陸直前に地上から銃撃を受け、客室乗務員が軽傷を負った後、閉鎖された。
ハイチ・ポルトープランスの国際空港がギャング暴力による今年2度目の閉鎖から1ヶ月を経て、11日に商業便の運航を再開した。
ハイチ政府は声明で、「国家警察と国連支援ミッションを率いるケニア国家警察が空港及び周辺地域の警備を強化したため、再開を決めた」と述べた。
また政府は「商業便の再開は国際貿易に不可欠な接続性を回復し、投資を促進し、貿易、観光、起業などの主要部門を後押しするだろう」と述べた。
しかし、現地メディアによると、11日午後の時点で運航している便はなく、乗客もいない。重武装した警察官が空港脇に検問所を設置し、近づく車両をチェックしている。
いつもは何百台もの車で埋め尽くされている空港の駐車場には数十台の車しかなく、その大半は職員のものであった。
AP通信によると、11日の朝遅く、いつ飛行機に乗れるか確認するため、フォルダーを抱えた男性が空港に到着した。しかし、どのカウンターにも航空会社の職員はおらず、男性は身の危険を感じて空港を離れた。
この空港は11月中旬、格安航空会社スピリット航空の旅客機が着陸直前に地上から銃撃を受け、客室乗務員が軽傷を負った後、閉鎖された。
この日、スピリット航空、ジェットブルー、アメリカン航空がハイチ便をキャンセルした。その翌日、米連邦航空局(FAA)は航空各社に対し、ハイチ発着の便を30日間停止するよう命じた。
現地メディアによると、ハイチ便の運航再開を決めた会社は確認できていない。
同国の治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは2年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は10月初め頃から激化。中部アルティボニット県では地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。