◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ギャングの支配下に置かれる中米ハイチの首都ポルトープランスで18日未明、銃撃戦が発生し、少なくとも12人が死亡した。
X(旧ツイッター)で拡散した動画には助けを乞う男性が撃ち殺される様子が映っていた。
現地メディアによると、銃撃戦はポルトープランスの2つの高級住宅街で18日未明に発生。ギャングとみられる重武装兵が民家を略奪したという。
この住宅街は先月末に激化したギャング戦争の被害を受けずにいたようだ。
AP通信によると、山間部近くの2つの住宅地で何度も銃声が鳴り響き、少なくとも12人の遺体が道端に放置されていたという。
地元テレビ局は目撃者の話しとして、「住宅街を統治するギャングと別のギャングが衝突し、殺し合いになった」と伝えている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
Xで共有されたある動画には銃声が鳴り響く中、住宅地を走る群集が映っている。人々は「早く逃げろ」「死にたくない」と叫んでいた。
親族の遺体を確認した男性はAPの取材に対し、「戦争です。これは戦争です」と嘆いた。「ハイチ人よ、目を覚ましてください。殺し合わないで。今すぐ武器を置いてください...」
国営電力会社は18日、ギャングとみられる武装集団が4つの変電所を破壊し、ポルトープランス全域で停電が発生したと報告。復旧の目途は立っていないようだ。
ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。