◎昨年ハイチで殺害されたジャーナリストは確認できているだけで9人にのぼり、この20年で最も多くなった。
2022年10月30日/ハイチ、首都ポルトープランス、催涙ガス攻撃で負傷した記者を運ぶ人々(Ramon Espinosa/AP通信)

ハイチの地元当局は28日、首都ポルトープランスとその周辺地域でギャングの暴力が横行する中、この2週間で地元のジャーナリスト2人が殺害されたと明らかにした。

ポルトープランスで活動するNGOは声明で、「ラジオレポーターが今月中旬に何者かに射殺され、25日には地元紙の記者がポルトープランスの通りで遺体となって発見された」と報告した。

同国のメディア協会は「暴力を容認し、煽る風潮が2人の死を招いた」と声明を発表。国家警察にギャングの取り締まりを強化するよう呼びかけた。

また同協会は「政府は報道・表現の自由を保護するために必要な措置を速やかに取る必要がある」と訴えた。

地元メディアによると、2人目の犠牲者は24日にギャングとみられる集団に誘拐されたという。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げており、国連はこの争いで民間人数百人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の統計によると、昨年ハイチで殺害されたジャーナリストは確認できているだけで9人にのぼり、この20年で最も多くなったという。

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