◎ハイチの人々は昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺以来続くギャングの暴力、貧困、インフレ、燃料不足に抗議している。
中米ハイチでギャングの暴力が拡大しており、現地メディアによると、今週だけで子供を含む少なくとも20人が死亡、数千人が避難を余儀なくされた。
ハイチの市民保護局は28日の声明で、「戦闘は先週、首都ポルトープランスの国際空港の郊外で始まった」と述べている。報告によると、少なくとも4つの地域で民家数十戸が焼失したという。
ハイチの人々は昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺以来続くギャングの暴力、貧困、インフレ、燃料不足に抗議しているが、問題解決の見通しは立っていない。
抗議者は国際社会から支援を受けているにもかかわらず結果を出せないアリエル・アンリ首相と閣僚に不満をぶつけ、タイヤを燃やし、一部の地域では略奪も報告されている。
アンリ首相の任期は2月7日に切れたが、混乱の影響で選挙は行えず、日程も決まっていない。
治安が悪化した地域の企業や学校は閉鎖されたままであり、数千人が地元の政府庁舎近くでキャンプ生活を送っている。
ポルトープランスで活動している慈善団体のレイモンド氏はAP通信のインタビューの中で、「彼らは水、食料、物資を必要としています」と訴えた。
レイモンド氏は赤十字やその他の人道機関の援助に感謝したが、「より多くの支援が必要」と現場の窮状を説明した。「子供はお腹を空かせて泣いていますが、母親は何も与えられません。ギャングの暴力は混乱に拍車をかけ、子供も殺されています...」
治安当局によると、今週の暴力で死亡した民間人は少なくとも20人、さらに数十人が負傷し、空港近くに駐機していた国連人道航空局のヘリコプターも損傷したという。
当局は、ポルトープランスから北に通じる主要道路が寸断される可能性があると警告している。
市民保護局は暴力事件について、「昨年17人の宣教師を誘拐したギャングとライバルギャングの争いによるもの」と説明した。
ハイチの人々はアンリ政権にギャングの暴力に対処するよう求めている。
北部地区で暴力に直面したルシアン氏はAFP通信に、「400マウォゾ(ギャング)の武装兵は私の家に火をつけ、隣人を撃ち殺した」と語った。
ルシアン氏によると、ギャングたちは民家に押し入り女性や少女をレイプするという。
市民保護局はアンリ首相と閣僚を批判している。
局の報道官は声明で、「指導者の無策と沈黙が危機に拍車をかけ、多くの市民が家を失い、レイプされ、切られ、撃たれ、殺されている」と批判した。「この危機的な状況はギャング間の血生臭い抗争と指導者の無関心で劇的に悪化し、多くの家族の強制移住につながりました」
また市民保護局は、暴力はさらにエスカレートし、より多くの死傷者と避難民が出る可能性があると警告した。