◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2024年3月10日/ハイチ、首都ポルトープランス、市内をパトロールする警察官(AP通信)

中米ハイチで最も危険なギャングの1つとされるグループの幹部が国家警察との銃撃戦で負傷した。警察が15日、明らかにした。

それによると、銃撃戦は首都ポルトープランス郊外の地区で12日と13日に発生。国家警察と国連ミッションを率いるケニア警察の合同部隊が地元で「Kraze Baryè」と呼ばれるギャングの拠点を襲撃したという。

国家警察は声明で、ギャングの副司令官が被弾し、現場から逃亡したものの、他の構成員20人ほどを無力化し、銃器、弾薬、携帯電話、その他資料や機材を押収したと明らかにした。

それによると、この作戦で拘束された者はいないという。

国家警察はKraze Baryèのリーダー「イノセント(Vitel’Homme Innocent)」を無力化するまで戦い続けると誓った。

国連ミッションを率いるケニア警察も声明を出し、イノセントに対し、市民への残虐行為をやめ、投降するよう呼びかけた。

イノセントは米国、EU、国連安全保障理事会から制裁を受けている。

米国はこの男の逮捕につながる情報に対して200万ドルの報奨金をかけている。イノセントは2021年に16人のキリスト教宣教師を誘拐。翌年には米国の宣教師を殺害した罪で起訴された。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

中部アルティボニット県では先週、地元で「グラン・グリフ」と呼ばれているギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

国連安全保障理事会は今月初め、このミッションを現在の安全保障支援から国連の委任統治下に置かれる平和維持ミッションに格上げしてほしいというハイチ政府の要請を退けた。

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