◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチ、首都ポルトープランス、民間のボランティアが運営する避難所(ロイター通信)

ギャングの支配下に置かれる中米ハイチの首都ポルトープランスで9日、新たな銃撃戦が発生し、医療従事者が活動休止を余儀なくされた。

セネガルに拠点を置く人道支援団体「国際医療活動同盟」の担当者はAP通信の取材に対し、「我々が担当する施設だけで、数千人が治療やサポートを必要としている」と明らかにした。

それによると、同団体は9日、ポルトープランス中心部のスラム街にある難民キャンプに到着したものの、そのすぐ近くで戦闘が勃発し、避難を余儀なくされたという。

担当者は「難民キャンプのすぐ近くで銃声が鳴り響き、爆発音もした」と語った。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

国連によると、少なくとも18の国立病院が機能停止に追い込まれ、何とか活動を継続している病院も深刻な医薬品不足に直面しているという。

2月末に勃発した戦闘により、ポルトープランスから10万人以上が比較的安全な南部や隣国ドミニカに逃れたと推定されている。

抗生物質、解熱剤、下痢止めなど、基本的な医薬品が圧倒的に不足しているようだ。地元メディアによると、それらの価格はこの1カ月ほどで2~3倍に跳ね上がったという。

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