ハイチ首都の国際空港、7カ月ぶりに商用便運航、ギャング暴力激化
ポルトープランスの空港では昨年11月、米国の格安航空会社スピリット航空の旅客機が着陸直前に地上から銃撃を受け、客室乗務員が軽傷を負う事件が発生。米ジェットブルーの便も銃撃を受けた。
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中米ハイチ・ポルトープランスの国際空港が12日、約7ヶ月ぶりに商用便の運航を再開した。
AP通信によると、この便は北部の第2の都市カパイシアンの空港に無事着陸したという。
乗客たちは友人や親戚、ビジネスパートナーと再会するために旅客機に乗り込んだ。
ポルトープランスの空港では昨年11月、米国の格安航空会社スピリット航空の旅客機が着陸直前に地上から銃撃を受け、客室乗務員が軽傷を負う事件が発生。米ジェットブルーの便も銃撃を受けた。
国内線がポルトープランスの空港を離陸したのはこの事件以来初。国際線の再開時期は未定である。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
AP通信はポルトープランス空港当局者の話しとして、「航空各社が国際線の運航を再開することを期待している」と報じたが、その可能性は低そうだ。
同空港は昨年、2度閉鎖を余儀なくされた。
スピリット航空の旅客機が銃撃を受けた日、ジェットブルーと最大手アメリカン航空がポルトープランス便を停止した。