ハイチ首都停電復旧せず、地元住民が水力発電所襲撃
19日正午の時点で停電は復旧せず、電話もつながりにくい状態が続いている。
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中米ハイチの首都ポルトープランスで18日に発生した停電は24時間以上経っても復旧せず、多くの市民がギャングの暴力に怯えながら不安な夜を過ごした。
AP通信によると、19日正午の時点で停電は復旧せず、電話もつながりにくい状態が続いているという。
地元テレビ局は中部ミバレの水力発電所が17日午後に襲撃を受けたと報じた。
それによると、地元住民とみられる群衆が発電所にが押し入ったとみられる。
ソーシャルメディアで拡散した動画には群集が発電所の建物内に侵入する様子が映っていた。
APによると、群衆が発電所内の送電鉄塔を倒した可能性があるという。
政府と暫定大統領評議会はコメントを出しておらず、発電所で何が起きているかも分かっていない。
この発電所はポルトープランスと周辺地域に電力を供給していた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連は先週、ギャングがポルトープランスを越えて中央地域に影響力を拡大していると警告。今年1月から5月末までの間に少なくとも2680人がギャング暴力で死亡し、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると明らかにした。
17日午前にはミバレ市内で国家警察の部隊とギャングが衝突したとみられる。死傷者の情報はない。
ミバレの水力発電所が止まったのはこの数カ月で2回目だ。フィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相は先月、同様の事態が発生しないよう、主要インフラの警備を強化すると約束していた。
ソーシャルメディアで拡散した動画にはミバレの水力発電所とみられる場所でバーベキューをする銃を持った男たちの姿が映っていた。