◎ハイチの治安は2021年のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
中米ハイチの首都ポルトープランスで6人の修道女が正体不明の武装集団に誘拐された。地元当局が19日、明らかにした。
それによると、ギャングとみられる武装集団はバスで移動していた修道女6人に銃を突きつけ、車で拉致したという。
AP通信は関係者の話しとして、「誘拐された6人はポルトープランス郊外の聖アンナ修道会に所属している」と報じた。
ハイチ国家警察はコメントを出していない。
ハイチの治安は2021年のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
国連と地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。
国連はポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれていると推定している。
ギャングは対立組織の領土で生活する市民を誘拐したり、殺害したりしている。
ポルトープランスで活動する人権団体は共同声明を発表。「あまりにも多くの誘拐事件が発生しており、その大半が未解決であることを国際社会は認識すべきだ」と嘆いた。
国連の統計によると、昨年ギャングに誘拐された市民は確認できただけで3000人に達したという。
昨年11月にポルトープランスで誘拐された医師は身代金が支払われたにもかからず、行方不明のままである。
2021年10月には米国の宗教関係者17人が誘拐され、その後解放された。