◎先日暫定政府の首相に就任したアリエル・アンリ氏は、できるだけ早く公正公平な総選挙を行うと約束していた。
8月12日、ハイチ政府は暗殺されたジョブネル・モイーズ大統領の後任を決める大統領選挙を11月7日まで延期すると発表した。
リチャード・デュメル報道官は記者団に対し、「評議会は大統領選の延期に合意した」と述べた。選挙は9月26日に行われる予定だった。デュメル報道官は延期の理由を明らかにしていない。同日に予定されていた議会選挙と国民投票も合わせて延期されることが決まった。
モイーズ大統領は7月7日未明に首都ポルトープランスの自宅で暗殺された。妻のマルティーヌ夫人も重症を負い米フロリダ州の病院に入院したが、7月中旬に退院し、ハイチに戻った。
警察は容疑者を40人以上拘束したと伝えられているが、事件の首謀者はまだ明らかにされていない。容疑者の中にはコロンビア人18人と、現職のハイチ警察官20人が含まれている。
先日暫定政府の首相に就任したアリエル・アンリ氏は、できるだけ早く公正公平な総選挙を行うと約束していた。
ハイチはアメリカ大陸の中で最も貧しい国のひとつであり、国民は1991年の軍事クーデター以来続く政情不安に悩まされてきた。また、2010年1月に発生したハイチ地震(M7.0)の傷跡は癒えておらず、人口の約60%が貧困ライン以下の生活を余儀なくされている。ハイチ地震の死亡者は30万人以上と推定されているが、正確な数は不明。
モイーズ大統領は今年、広範な汚職の申し立てと激しい抗議デモに直面した。
抗議者たちはモイーズ大統領の任期は2021年2月に終了したと主張し、辞任を要求したが、モイーズ大統領は任期を1年延長すると発表した。なお、2016年の大統領選挙は約1年遅れたため、モイーズ大統領の在任期間は任期の5年には達していなかった。
議会選挙は2019年10月に実施される予定だったが、混乱の影響で延期されていた。