◎7月17日、暗殺されたハイチのジョブネル・モイーズ大統領の妻であるマルティーヌ・モイーズ夫人が米マイアミの病院を退院し、政府専用機で帰国した。
7月17日、暗殺されたハイチのジョブネル・モイーズ大統領の妻であるマルティーヌ・モイーズ夫人が米マイアミの病院を退院し、政府専用機で帰国した。
現地メディアによると、政府は夫人の帰国日を明らかにしていなかったという。国防省は17日の声明で夫人が帰国したことを明らかにし、写真を公開した。
専用機はクロード・ジョセフ暫定首相と政府当局者の待つ首都ポルトープランスのトゥーサンルーバーチャー国際空港に到着した。夫人は黒いドレスの上から防弾チョッキを着用し、右腕に包帯を巻いていた。
夫人は今週初め、夫と最後の言葉を交わすことができなかったとツイートした。「この痛みは決して癒えません...」
モイーズ大統領は7日未明に首都ポルトープランスの自宅で暗殺され、夫人も重傷を負った。
政府は16日の声明で、大統領の葬儀は7月23日に北部の都市カパイシアンで執り行われ、夫人も出席する予定と発表していた。
モイーズ大統領は殺害される前日にアリエル・ヘンリー氏を新首相に指名していたが、軍と警察の支援を受けるジョセフ暫定首相は現在も政府を率いている。
ジョセフ暫定首相と議会の一部勢力は、ヘンリー氏は宣誓していないと主張しているが、ドイツ、ブラジル、カナダ、スペイン、フランス、EUの大使、国連およびアメリカの代表者で構成されるグループは声明で、ヘンリー氏と議会のジョセフ・ランバート上院議員がハイチを率いると約束した。
アメリカが主導するこのグループは声明の中で、「合意に基づく包括的な暫定政府」の創設を要求した。
ホワイトハウスはグループの声明に関するコメントをまだ発表していない。国連の報道官も、グループの声明に国連の関係者が関わっていることは認めているが、コメントは発表していない。米州機構(OAS)の報道官は、「声明の内容以外に言うことはない」と述べた。
同グループはまた、「国内のすべての政治、経済および市民社会の関係者は、治安を回復するための努力を支援しなければならない」と呼びかけた。
ハイチの政治専門家であるバージニア大学のロバート・ファットン教授は、「国連の代表は以前、ジョセフ暫定首相を支持していると言ったため、声明は混乱を招いた」と指摘した。「暫定政府は恐らく混乱しているはずです...」
米国務省のネッド・プライス報道官は8日の声明で、「ジョセフ暫定首相が現職であり、暗殺前まで首相を務めていた」と述べていた。「アメリカはクロード・ジョセフ首相と協力しています...」
モイーズ大統領は広範な汚職の申し立てと激しい抗議デモに直面していた。
抗議者たちはモイーズ大統領の任期は2021年2月7日に終了したと主張し、辞任を要求したが、モイーズ大統領は任期を1年延長すると発表した。なお、2016年の大統領選挙は約1年遅れたため、モイーズ大統領の在任期間は任期の5年に達していなかった。
議会選挙は2019年10月に実施される予定だったが、混乱の影響で延期されている。
ハイチ当局は11日、米フロリダ州に拠点を置く医師のクリスチャン・エマニュエル・サノン氏を大統領暗殺の首謀者のひとりとして逮捕した。
当局によると、暗殺グループはコロンビア人26人とハイチ系アメリカ人2人の計28人で構成されていたという。このうちコロンビア人18人が逮捕され、5人が逃亡し、3人が射殺された。
一方、コロンビアの警察当局は16日、元ハイチ法務局のジョセフ・フェリックス・バディオ氏が大統領暗殺を命じた可能性があると発表した。バディオ氏の所在は明らかにされていない。