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ハイチ首都の国立宮殿近くで銃撃戦、政府高官が集まる中

銃撃が始まった時、敷地内にはフィゼメ首相と暫定大統領評議会のメンバー、その他政府高官がいた。
2024年3月25日/ハイチ、首都ポルトープランスの大統領府(AP通信)

ハイチ・ポルトープランスの国立宮殿近くで9日、銃撃戦が発生した。

宮殿ではこの時、ギャング対策関連の閣議が行われていた。

現地メディアによると、死傷者の情報はなく、少なくとも1台の装甲車が宮殿近くで銃撃を受けたという。

銃撃が始まった時、敷地内にはフィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相と暫定大統領評議会のメンバー、その他政府高官がいた。

当局は高官たちが避難したかどうかを明らかにしていない。

地元テレビ局が報じた映像には、周辺住民が避難する中、公用車の隊列が裏口から退出する様子が映っていた。

閣議が始まる前、敷地内で警察音楽隊の演奏と国旗掲揚が行われ、重武装した警察官たちが周囲を警戒する中、フィゼメ死らが屋外に集まっていた。

国立宮殿とその周辺は最近まで安全でないと考えられ、ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」の支配地域に位置していたため、政府高官は長い間近づけずにいた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは4年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

ポルトープランスでは現在もヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。

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