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武装集団が宣教師ら8人誘拐、警察が捜査中 ハイチ首都

事件はポルトープランス近郊の比較的治安の良い地区で3日に発生。ギャングとみられる身元不明の武装兵は国際慈善団体が運営する孤児院の敷地に押し入ったという。
2025年8月4日/ハイチ、首都ポルトープランス近郊、国家警察の機動隊員(AP通信)

中米ハイチの首都ポルトープランスでアイルランド国籍の宣教師と3歳の子供を含む8人が何者かに誘拐され、行方不明になっている。国家警察が4日、明らかにした。

それによると、事件はポルトープランス近郊の比較的治安の良い地区で3日に発生。ギャングとみられる身元不明の武装兵は国際慈善団体が運営する孤児院の敷地に押し入ったという。

この孤児院は240人を超える子供を保護している。

アイルランドのメディアは2013年にもこの孤児院で同じような事件が発生したと報じた。

この時は身元不明の武装兵1人が孤児院に侵入し、職員1人を射殺、数人の子供を連れ去ったとされる。

ロイター通信は治安筋の話しとして、ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」に忠誠を誓う勢力が宣教師らを拉致したと伝えている。

孤児院はこの事件を受け、施設を閉鎖。警察が周辺をパトロールしている。

地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。

ハイチでこのような誘拐事件は珍しくない。

悪名高いギャング「400マオゾ」は21年10月、ポルトープランス近郊で米キリスト教援助団体の米国人16人とカナダ人1人を誘拐した。

400マオゾは当初、人質1人につき100万ドルの身代金を要求。団体は最終的に35万ドルを支払い、17人は無事解放された。

400マオゾはヴィヴ・アンサムに吸収されたとみられる。

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