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メキシコ中部のサッカー場で銃乱射事件、11人死亡、12人負傷

事件はアマチュアサッカーの試合が終わった直後に発生し、10人が即死、重傷を負った1人が病院で死亡した。
メキシコ、中部グアナフアト州サラマンカ、陸軍兵士と警察官(Getty Images)

メキシコ中部グアナフアト州サラマンカの住宅地にあるサッカー場で25日、武装集団が銃を乱射し、少なくとも11人が死亡、12人が負傷した。地元警察が明らかにした。事件はアマチュアサッカーの試合が終わった直後に発生し、10人が即死、重傷を負った1人が病院で死亡した。負傷者には女性や未成年者も含まれている。

25日の午後、近隣住民が観戦する中で武装集団がサッカー場に乗り込み、突如として発砲した。複数の地元報道によると、武装集団は複数の車両で現れ、広範囲にわたって無差別に銃撃を行ったという。現場では銃撃音が響き、出場・観戦していた人々は悲鳴を上げながら逃げ惑ったという目撃情報もある。

サラマンカ市長はX(旧ツイッター)に声明を投稿。この襲撃を「犯罪の波の一部」と位置づけ、暴力の激化に対し国に支援を求めた。また市長は治安維持が困難な現状を訴え、治安対策の強化と連邦政府の介入を要請した。グアナフアト州検察局は捜査を進めるとともに、事件の責任追及と地域の治安強化のために連邦当局と連携していると発表している。

グアナフアト州は近年、麻薬カルテル間の抗争が激化。2025年には国内で最も多くの殺人事件が発生した州となった。シナロア・カルテル関連の組織やハリスコ新生代(CJNG)などの抗争が続き、一般市民を巻き込んだ暴力が頻発している。治安当局と地元住民の双方が、こうしたカルテル間の対立が地域の安全を著しく損なっていると指摘してきた。

今回の襲撃の動機や具体的な容疑者の特定、組織との関連については明らかになっていないが、現地ではカルテルが関与しているとの見方が強い。グアナフアト州では数年前から日常的に武装集団による恐喝、誘拐、殺人事件が発生しており、サッカー場という地域のコミュニティが集う場所が標的となった今回の事件は、暴力の深刻さを改めて浮き彫りにした形だ。専門家は住民の不安が高まる中で効果的な治安政策の必要性を強調している。

政府当局は犠牲者の遺族に哀悼の意を示すと同時に、さらなる暴力を抑止するための具体策策定を進めるとしている。しかし、地域住民の間には「日常の安全が保証されていない」という不信感が根強く、今後の治安改善には長期的な取り組みと国全体の支援が不可欠だとの声が強まっている。

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