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グアテマラの学校が先住民言語を保護するイベント

この催しは国際母語デー(2月21日)を前に行われ、児童らがマヤ系言語の一つであるカクチケル語に親しむ機会となった。
2026年2月19日/中米グアテマラの学校(AP通信)

グアテマラ西部高地のサンホセ・ポアキルにある学校で19日、先住民言語の保存を目指すイベントが開催された。この催しは国際母語デー(2月21日)を前に行われ、児童らがマヤ系言語の一つであるカクチケル語に親しむ機会となった。

会場となった学校では、児童約250人のうち97%が日常的にカクチケル語を話し、授業もこの言語とスペイン語で行われている。この日、子どもたちは最初は恥ずかしさを見せていたものの、歌手でソングライターのサラ・クルルチッチ(Sarah Kruljic)さんがカクチケル語の歌を披露すると、拍手を送りながら一緒に歌いリズムに乗るなど、言語への親近感を深めた。クルルチッチさんは「コミュニティや人々に彼らの言語で接すると、言葉の中に自分たちを見出し、即座につながりを感じる」と語った。

このイベントでは歌のほか、児童たちがビクター・サントス(Víctor Santos)氏の著作『What Makes Us Human』のカクチケル語訳を順番に朗読する時間も設けられた。同書は母語を大切にすること、そして先祖とのつながりを強める重要性を説く内容で、ユネスコやマヤ言語保存プロジェクトなどの協力で刊行された。

ユネスコはこの本の普及を推進した理由について、言語こそが「人間を人間たらしめるものを定義する力強い考えを伝える」と述べた。若い世代が自身の言語的豊かさを理解し、保存の必要性を広めるきっかけになることを期待しているという。

またユニセフはカクチケル語を含むグアテマラで話される22のマヤ言語の翻訳活動を優先的に進めていると説明した。その中でも、とりわけ絶滅の危機にあるイトサ語、ウスパンテク語、モパン語、チョルティ語の4言語に重点を置いているという。さらに「言語が消滅すれば、その言語が持つ世界観や知恵、先祖とのつながりも同時に失われる」と述べ、保存活動の重要性を強調した。

クルルチッチさんは児童たちに対して、言語を義務としてではなく「愛を持って受け入れてほしい」と促した。また「そうした思いが、私たちの祖父母や祖先が大切にしてきたアイデンティティやルーツを次代に引き継ぐ守り手となる」と述べた。

グアテマラにはマヤ系の言語に加え、シンカ語やガリフナ語も含め、2018年の国勢調査では約640万人、国民の約3分の1が先住民系の言語を話すとされる。このため、言語多様性の維持と促進は文化的アイデンティティの保全という観点からも重要な課題となっている。

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