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メキシコ移民事故、グアテマラ国籍の男が罪認める、53人死亡


この事故は2021年12月9日、メキシコ南部チアパス州で発生。グアテマラから米国を目指す移民160人余りが大型トラックの荷台に詰め込まれた状態で運ばれていた。
2021年12月9日/メキシコ、チアパス州、死亡した移民の遺体と捜査当局者(AP通信)

メキシコ南部チアパス州で2021年に発生したトラック事故をめぐり、人身売買に関与したグアテマラ国籍の男が8日、米連邦裁判所でを認めた。事件の責任追及が進む一方で、危険な移民ルートの実態が浮き彫りとなっている。

有罪を認めたのはグアテマラ出身のダニエル・サバラ・ラモス(Daniel Zavala Ramos、42歳)被告で、米テキサス州ラレドの連邦地裁において、移民を米国へ密入国させた共謀罪について罪を認めた。米司法省によると、被告は移民の生命を危険にさらし、大勢を死亡させた責任を問われており、終身刑が科される可能性がある。量刑の言い渡しは7月7日に予定されている。

この事故は2021年12月9日、メキシコ南部チアパス州で発生。グアテマラから米国を目指す移民160人余りが大型トラックの荷台に詰め込まれた状態で運ばれていた。トラックは高速道路を走行中に制御を失い、歩道橋の支柱に激突・横転した。この事故で53人が死亡し、100人以上が負傷した。犠牲者の中には保護者のいない子どもも含まれていた。

検察によると、被告は複数人で構成される人身売買組織の一員として、グアテマラからメキシコを経由して米国へ移民を送り込む計画に関与していた。移民は徒歩や小型バス、家畜輸送車、さらには今回のような大型トラックなど、さまざまな手段で運ばれていた。また、連絡にはSNSが用いられ、移民が摘発された際に備えて虚偽の証言内容を教えるなど、組織的な手口が確認されている。

この事件では同じくグアテマラ国籍の計6人が起訴され、ラモス被告は初めて有罪が確定した人物となる。他の被告についても今後、審理が続く予定である。被告は2025年にグアテマラから米国へ身柄を引き渡され、捜査と裁判が進められてきた。

中南米から米国を目指す移民の流れは2024年まで増加し続け、それに伴い犯罪組織の活動も活発化していた。組織は高額な報酬と引き換えに移動手段を提供するが、その多くは過密で危険極まりなく、事故や死亡事例が後を絶たない。

多数の命が失われたこの事故は移民問題の深刻さと、国境を越えた犯罪組織の存在を国際社会に強く印象付けた。米当局は今後も関係者の責任追及を進める方針であり、同様の悲劇を防ぐための取り締まり強化が求められている。

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