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グアテマラの刑務所で暴動、受刑者が職員46人を人質に

政府は暴動を主導したとみられるギャング組織に対し、交渉しない方針を強調し、治安当局が制圧と秩序回復に向け取り組んでいる。
2023年9月29日/グアテマラ、首都グアテマラシティ、アレバロ氏の選挙事務所前を巡回する警察官(Moises Castillo/AP通信)

中米グアテマラ国内の複数の刑務所で受刑者による暴動が発生し、職員ら少なくとも46人が人質として拘束されている。地元当局が17日、明らかにした。政府は暴動を主導したとみられるギャング組織に対し、交渉しない方針を強調し、治安当局が制圧と秩序回復に向け取り組んでいる。

暴動は17日午前から同時多発的に3つの刑務所で発生した。受刑者たちは主に看守や心理カウンセラーらの職員を拘束し、施設内の一部区域を掌握したと伝えられている。内務省は記者会見で、「今のところ、死亡者や負傷者は確認されていない」と説明した。

当局によると、暴動は中米で強い影響力を持つギャング「バリオ18」の構成員が主導した可能性が高いという。内務省はバリオ18がリーダーの移送や優遇措置を求めて暴動を起こしたと説明した。受刑者側はより待遇の良い施設への移送を要求しているとの情報もある。

政府はこれらの要求に応じない意向を示し、受刑者側が不当な要求を押し付けることは許されないと非難している。

暴動が起きた南部の刑務所では、警察や軍が周囲を包囲し、外部との連絡を遮断するなどの安全確保措置を進めている。救急隊や消防なども待機し、人質の安全確保に備えているという。

地元テレビ局が報じた映像には、受刑者が自作のマスクで顔を覆い、監視塔の上や中庭で職員らと対峙する様子が映っていた。一部の受刑者は動画で「ここの環境は最悪だ。いつ殺されるか分からない」と述べ、当局の対応への不満を表明している。

今回のような人質事件はグアテマラでは珍しく、治安当局にとって大きな挑戦となっている。過去にも看守が一時的に拘束される事例はあったが、複数施設で同時に発生したのは例がない。専門家は治安体制の強化が急務だと指摘する。

グアテマラでは長年にわたりギャング犯罪と受刑者管理の問題が深刻化しており、収監されているギャング組織の影響力が刑務所内外で強い。今回の暴動についても、その背景には刑務所運営の弱体化や組織犯罪の取り締まりの脆弱性があるとの指摘がある。

当局は暴動の早期終息と人質の安全な解放を最優先課題とし、外部からの支援も得ながら秩序回復に向けた具体策を模索している。ロイター通信は政府筋の話しとして、「国民の安全を守るため、あらゆる手段を講じる」と報じた。

状況は流動的で、事件の解決には時間を要する可能性があり、国際社会もグアテマラ政府の対応を注視している。

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