◎暫定評議会は今週、オニール氏を首相に指名した。
ギャングの支配下に置かれる中米ハイチのコニール(Garry Conille)新首相が1日、首都ポルトープランスに到着し、暫定評議会の委員らと会談した。
現地メディアによると、コニール氏は1日の早い時間に隣国ドミニカから飛行機でポルトープランスに移動。首相府で暫定評議会の委員や政府高官らと会談したという。
暫定評議会は今週、オニール氏を首相に指名した。
コニール氏は2011年10月~12年5月まで首相を務めていた。
国連安全保障理事会は昨年、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認したものの、それを率いるケニアで問題が発生し、部隊を展開できずにいる。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
地元メディアによると、コニール氏の就任式はポルトープランスの首相府で近いうちに開かれる予定。
ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。