◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
中米ハイチの武装ギャングが首都ポルトープランスの刑務所を襲撃し、数千人の受刑者が脱獄、3人が死亡した。現地メディアが3日に報じた。
それによると、市内の複数の刑務所が攻撃を受け、受刑者約4000人のうち、刑務所にとどまっているのは100人に満たないという。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前からG9&Familyを含む複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
アンリ(Ariel Henry)首相はケニアが主導する国連PKOの派遣を急ぐよう繰り返し要請している。
AP通信によると、襲撃を受けた刑務所の入り口に3人の遺体が放置されていたという。
国家警察は声明を出していない。首相府も沈黙している。
ポルトープランスの非営利団体で活動する弁護士はX(旧ツイッター)に声明と写真を投稿。「約4000人の受刑者のうち、塀の中に残っているのは100人以下だ」と書き込んだ。
その中にはモイーズ氏暗殺に関与したとされるコロンビアの傭兵18人が含まれていた。2日夜、刑務所にとどまったとみられるコロンビア人が助けを求める動画をSNSに投稿した。
「刑務所に軍隊を送ってください。武装ギャングが命乞いする警察官や職員を処刑しています...」
ギャングは1日、ポルトープランスの国際空港を含む数カ所を攻撃し、警察官4人を殺害。市内の2つの刑務所を支配下に置いた。
国連安全保障理事会は昨年、ハイチへのPKO派遣を全会一致で承認。ケニアが部隊を率いることになった。
しかし、ケニアの高等裁判所は先月末、「安保理の決定に基づきハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定。この裁判は現在、最高裁で争われている。