ハイチギャングが警察官2人殺害、待ち伏せ攻撃、暴力激化
事件は12日夜に発生。パトロール部隊の車両がギャングの罠にはまって動けなくなり、署員2人は脱出を試みたものの、射殺された。
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ハイチ当局は13日、首都ポルトープランスのケンスコフ地区で武装ギャングが警察官2人を殺害したと明らかにした。
それによると、事件は12日夜に発生。パトロール部隊の車両がギャングの罠にはまって動けなくなり、署員2人は脱出を試みたものの、射殺されたという。
国家警察の報道官はAP通信の取材に対し、「パトロール部隊の装甲車はギャングが掘った溝に落ち、身動きが取れなくなったところで攻撃を受けた」と語った。
ソーシャルメディアに投稿された動画にはギャングの構成員とみられる男が警察官から奪ったブーツ、自動小銃、防弾ベストなどの物品を自慢げに披露する様子が映っていた。
別の動画には制服を着た警察官とみられる男性の遺体も映っていた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。
APによると、ケンスコフ地区はヴィヴ・アンサムの支配下に置かれている。
中部地区では先月、3人の警察官と情報提供者が殺害される事件が発生。4人目の警察官は今も行方不明のままである。
ケニア国家警察が率いるハイチ国連支援ミッション(MSS)は1年前に配備されたものの、資金不足に悩まされ、ギャングの暴力に圧倒されている。