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ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
ハイチ、首都ポルトープランス(Getty Images/PAメディア)

中米ハイチの武装ギャングが中部アルティボニット県郊外の集落を襲撃し、子供を含む4人が死亡、少なくとも15人が負傷した。現地メディアが28日に報じた。

それによると、現場はアルティボニット県南部の集落。ギャングは住民に向けて発砲し、十数軒の民家に火を放ったという。

首都ポルトープランスで活動する人権団体はSNSに声明を投稿。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」の傘下組織が襲撃に関与していると述べた。

この集落への攻撃は24日に始まったされ、地元警察がギャングと銃撃戦を繰り広げている模様。AP通信は地元住民の話しとして、「外に出ることができず、爆発音も聞こえる」と報じた。

国家警察はコメントを出していない。

ソーシャルメディアで共有された動画には銃創を負った数人が病院に運び込まれる様子が映っていた。

AP通信によると、この集落を含むアルティボニット県の広い範囲で停電が発生し、インターネットがつながりにくくなっているという。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

一連の暴力とギャング間抗争により、100万人以上が住居を失い、その多くが避難所に身を寄せている。

ヴィヴ・アンサムは先月、中部ミバレへの攻撃を開始し、全域を制圧。刑務所から刑務官を追い払い、約500人の受刑者を解放した。

国家警察はミバレに増援部隊を送り、ギャングとの戦闘を続けているとみられる。戦況は明らかになっていない。

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