▽ポルトープランスでは数週間前からギャング間抗争が激化。大統領府に近いエリアでも銃撃戦が報告されている。
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中米ハイチの首都ポルトープランスでギャングの暴力が急増し、数万人が避難を余儀なくされている。
AP通信の取材に応じた女性は「もう耐えられない。この国を離れたい」と涙ながらに語った。
ポルトープランスでは数週間前からギャング間抗争が激化。大統領府に近いエリアでも銃撃戦が報告されている。
地元メディアによると、ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているという。
国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は先週、2月14日から3月5日の間に4万人以上が避難を余儀なくされ、その一部は隣国ドミニカに逃れたと明らかにした。
一方、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は今週、通常の2倍のペースで死傷者の治療にあたっていると明らかにした。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。
国連は警察が守勢に立たされていると懸念を示し、政府庁舎を含むポルトープランス全体がギャングの手に落ちる危険性もあると警告している。
ハイチ国連支援ミッションには約800人のケニア国家警察を中心に、ジャマイカ、グアテマラ、エルサルバドルなどの兵士や警察官が参加している。
暫定大統領評議会とフィゼメ(Alix Didier Fils-Aimé)首相は14日の閣議でギャング暴力への対処について議論したとみられる。