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カリブ4カ国、ビザ・就労許可不要の自由移動協定締結

4カ国のいずれかの国民が他参加国へ渡航する際、パスポートにスタンプが押されるかデジタル記録が作成された時点で、無期限滞在が許可される。
中米ベリーズのビーチ(Getty Images)

カリブ海の4カ国が1日、ビザ(査証)や就労許可なしで移住し新たな生活を始めることを容易にする協定を導入した。

バルバドス、ベリーズ、ドミニカ、セントビンセント・グレナディーンの外相が1日発効の自由移動協定に署名した。

当局者によると、4カ国のいずれかの国民が他参加国へ渡航する際、パスポートにスタンプが押されるかデジタル記録が作成された時点で、無期限滞在が許可されるという。

この取り組みを主導する15カ国からなるカリブ共同体(CARICOM)は教育・医療・その他のサービスを受けるための入国者向け登録措置も整備している。

カリブ諸国では犯罪が深刻な問題となっているが、バルバドス当局はこの協定締結に当たり、「犯罪者を排除するための適切な監視体制と審査システムが構築されている」と強調した。

CARICOM加盟国の国民は経済目的(技能労働者が就労許可なしで職を得るなど)に限り、加盟国間の自由移動を認められていた。特定の国の国民が指定された目的以外で渡航する場合、最長6ヶ月の滞在は許可されていたが、就労は認められていなかった。

カリブ諸国におけるビザ制度は、国や地域によって大きく異なるが、観光業が主要産業であるため、多くの国が観光客に対して比較的緩やかなビザ政策を採用している。例えばジャマイカやバハマ、セントルシア、ドミニカなどは、日本を含む多くの国のパスポート保持者に対して短期滞在のビザ免除を提供している。通常、30日から90日程度の滞在が可能であるが、滞在期間や条件は国によって異なるため、渡航前に最新の情報を確認する必要がある。

一方で、キューバは独自の制度を採用しており、観光には「ツーリストカード(Tourist Card)」と呼ばれる一種のビザが必要である。これはビザとほぼ同等の機能を果たし、旅行代理店や航空会社、またはキューバ大使館・領事館を通じて取得可能である。米国籍者の場合、キューバとの関係から特別な渡航制限が課されているため、さらに注意が必要である。

また、一部のカリブ諸国ではCARICOM諸国間での自由移動を促進しており、加盟国市民に対してはビザ不要での渡航が可能となっている。これにより、域内の人の移動や経済交流が活発になっている。

カリブ諸国の中には、電子渡航認証システム(ETA)やオンライン申請によるビザ制度を導入している国もあり、デジタル化が進む傾向にある。これにより、申請者は大使館を訪れることなく、インターネット上で手続きが完了できるようになってきている。

総じて言えば、カリブ諸国のビザ制度は観光客を歓迎する姿勢が強く、簡素な手続きで入国が可能な国が多い。ただし、各国の治安状況、政治的背景、国際関係などによりビザ政策は変動する可能性があるため、渡航前には必ず公式情報源を確認することが重要である。

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