◎チルパンシンゴの人口は約30万人。長い間、麻薬カルテル「ロス・アルディジョス」と対立するカルテル・ギャングによる血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。
2024年10月7日/メキシコ、南部ゲレロ州チルパンシンゴ、殺害されたアルコス市長の葬儀(AP通信)

メキシコ南部ゲレロ州チルパンシンゴの市長が殺害された事件について、捜査当局は12日、同州の現職警察官を逮捕したと明らかにした。

アルコス(Alejandro Arcos)前市長は9月30日に就任し、10月6日に遺体となって発見された。地元メディアによると、アルコス氏の頭部は胴体の上に置かれ、上半身にカルテルのシンボルが刻まれていたという。

ゲレロ州の捜査当局は声明で、「現職の警察官であるゲルマン・レイエス(Germán Reyes)をアルコス市長殺害容疑で逮捕した」と明らかにした。

当局は以前、この事件に地元の麻薬カルテルが関与している可能性が高いと説明していた。

地元メディアによると、レイエスは同州の元検察官で、「特別検察官」という要職に就いていたという。

またレイエスは元軍人でもあり、大尉の階級で退役している。

チルパンシンゴの人口は約30万人。長い間、麻薬カルテル「ロス・アルディジョス」と対立するカルテル・ギャングによる血生臭い縄張り争いの舞台となってきた。

メキシコでは地方警察の要職に将校クラスの退役軍人を起用することが常態化している。一部の専門家はこの天下りシステムが警察の腐敗を招いているという批判している。

警察は強力な麻薬カルテルと対峙するにあたり、優秀な現役兵士や元兵士の力を借りることが多々ある。

レイエスが州警察でどのような肩書きをもっていたのか、アルコス市長の下で働いていたのかは明らかになっていない。

チルパンシンゴでは先週、市内の幹線道路沿いに放置されていたトラックから未成年者を含む11人の遺体が見つかっている。

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