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メキシコ移民局、収容施設火災で犠牲者と遺族に謝罪、40人死亡

2023年3月27日、北部チワワ州のシウダー・フアレスにある移民収容施設で大規模な火災が発生した。
2023年3月28日/メキシコ、北部チワワ州シウダー・フアレスの移民収容施設前(Jose Luis Gonzalez/ロイター通信)

メキシコ移民局は26日、北部チワワ州シウダー・フアレスの移民収容施設で2023年に発生した火災について、犠牲者と遺族に謝罪した。

同局の前長官は拘留者の保護義務を怠ったとして起訴され、裁判官から公の場で謝罪するよう命じられていた。この裁判は現在も続いている。

移民局は声明で、「(移民局)職員の怠慢により、決してあってはならない人災、人権侵害が発生してしまった」と述べた。

2023年3月27日、北部チワワ州のシウダー・フアレスにある移民収容施設で大規模な火災が発生した。この施設は、主に中南米からの移民や難民を一時的に収容するための場所であり、メキシコと米国の国境に近いことから、多くの移民が通過点として利用していた。

火災は深夜に起こり、施設内にいた約80人以上の移民が巻き込まれた。火災による死者は40人にのぼり、多くの負傷者も報告された。この惨事は移民問題の複雑さとメキシコにおける移民収容環境の劣悪さを浮き彫りにした。

当時の報道によると、火災は施設内の寝室で発生し、激しい煙と炎が瞬く間に広がった。収容施設の構造や防火設備の不備が被害を拡大させたと指摘されている。収容者の多くは狭い部屋に閉じ込められており、火災発生時に速やかに避難できなかったことが被害を大きくした要因の一つとされる。

政府は直ちに対応にあたり、救助隊を派遣して負傷者の救出と治療を行った。また、事件の原因究明と再発防止策の検討を進めると表明した。しかし、メキシコ国内外からは、移民収容施設の管理体制や人権状況に対する批判が強まった。

この火災は、米国との国境をめぐる移民政策や取り締まりが厳しさを増す中で、多くの移民が過酷な環境に置かれている現状を示す悲劇的な事件となった。移民の人権保護や安全確保の重要性が改めて問われる契機となり、国際社会からも関心と支援が求められている。

検察は火災を起こしたとしてベネズエラ人移民2人を殺人罪で起訴している。

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