メキシコから米国に密輸されるフェンタニル40%減少

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
メキシコのシェインバウム大統領(左)とトランプ米大統領(Getty Images)

メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は6日、同国から米国に密輸される合成麻薬フェンタニルの量がトランプ政権発足以来、40%減少したと明らかにした。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。

米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。

シェインバウム氏は定例会見でトランプ政権との連携が機能し、フェンタニルの密輸が激減していると強調した。

トランプ(Donald Trump)大統領は不法移民とフェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民・麻薬対策を導入している。

トランプ政権は2月、メキシコの麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。

米疾病対策センター(CDC)によると、24年の全米の薬物過剰摂取による死者数は8万391人。過去5年間で最も少なくなった。23年は11万37人であった。

最も多くの死者を出した薬物はフェンタニルを含む合成オピオイド。24年の死者数は4万8422人、23年は7万6282人であった。

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