◎フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
メキシコ当局は19日、世界最大の麻薬組織「シナロア・カルテル（Sinaloa Cartel）」がフェンタニル製造に使用する化学物質の輸入に関与したとされるグアテマラ人を逮捕したと明らかにした。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
入国管理局によると、ロペス（Jason Antonio Yang López）容疑者は18日にチアパス州タパチュラの空港で逮捕されたという。
チアパス州はグアテマラと国境を接している。
米財務省の外国資産管理局は昨年1月、ロペス容疑者がフェンタニルの製造に必要な化学物質の調達、輸入、製造をほう助したとして制裁リストに追加していた。
この制裁により、ロペス容疑者が米国内で保有する資産はすべて凍結された。
米当局によると、ロペス容疑者は中国の企業から化学物質を調達しているという。
メキシコ当局はロペス容疑者の認否を明らかにしていない。
メキシコの薬局で販売されているオピオイド系鎮痛剤オキシコンチン、パニック障害治療薬ザナックス、アデラルなどにはしばしばフェンタニルが混入している。
米疾病対策センター（CDC）によると、2020年にフェンタニルの過剰摂取で死亡した人は約5万8000人。21年は7万1000人と推定している。
