メキシコ中西部の警察署前で車が爆発、3人死亡、6人負傷
爆発の原因は明らかになっておらず、軍と警察が現場を封鎖し、捜査に当たっている。
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メキシコ中西部ミチョアカン州の沿岸地区で6日、警察署の前で車が爆発し、少なくとも3人が死亡、6人が負傷した。警察が明らかにした。
それによると、爆発はコアウアヤナの中心部で発生。車を運転して人物が即死、他に少なくとも2人が病院に搬送され、その後死亡が確認されたという。負傷者の中には警察官が含まれ、近くの建物にも被害が出た。
爆発の原因は明らかになっておらず、軍と警察が現場を封鎖し、捜査に当たっている。
ミチョアカン州はメキシコで最も危険な州のひとつであり、その大半が世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルとつながりのあるギャングの支配下に置かれている。
今回の爆発は州内で治安部隊の取り締まりが強化された直後に発生した。連邦政府は最近、カルテルによる市長暗殺や暴力の激化を受けて、同州に追加部隊を派遣していた。
現地メディアによると、ミチョアカン州では最近、シナロア・カルテルのライバルであるハリスコ新世代や湾岸カルテルも勢力を拡大しているという。
こうした犯罪集団は爆弾や地雷、ドローンによる爆発装置投下などを用いて勢力争いを続けており、今年に入ってから州当局による押収実績が2000件を超えている。
ミチョアカン州はアボカドやライムの生産で知られ、これらの農産物は米国などへ大量に輸出されてきた。カルテルはこうした農業・果樹栽培を長年にわたって恐喝や強要の対象としてきた。今回のような暴力と治安の不安定さは地域経済にも暗い影を落としている。
州政府と中央政府はこの数ヶ月、地域の治安回復に向けて軍や警察の増員、治安戦略の強化を打ち出してきたものの、住民や地元警察は「依然として不安は消えていない」と語る。特に警察など地元主導の治安部隊は住民の信頼と期待を一身に背負っており、今回の爆発はその脆弱性を浮き彫りにする形となった。
この爆発はミチョアカン州を巡るカルテルの勢力争いと、それに伴う治安崩壊の深刻さを改めて示す事件である。多くの住民が恐怖と混乱の中にあり、地元社会に長く根付く不安が改めて浮かび上がった。州当局と連邦政府、そして地域コミュニティは安全と秩序の回復に向けて一層の取り組みを迫られている。
