◎今年のミス・ユニバースは18日(日本時間19日)に選出される予定だ。
2023年11月16日/エルサルバドル、首都サンサルバドル、ミス・ユニバース2023の民族衣装コンテスト(Moises Castillo/AP通信)

世界各国から選出された女性たちが美を競う「ミス・ユニバース」がエルサルバドルで開幕し、同国の治安に注目が集まっている。

今年のミス・ユニバースは18日(日本時間19日)に選出される予定だ。

各国の代表は今週、首都サンサルバドル市内を散策したり、イベントに参加する様子をSNSに投稿。ある関係者はX(旧ツイッター)にこう投稿している。「エルサルバドルの治安は本当に良くなった。すばらしい...」

昨年のミス・ユニバースである米国のガブリエル(R’Bonney Gabriel)さんは今年の出場者の前で演説した際、こう強調した。「ブケレ(Nayib Bukele)大統領が言ったように、エルサルバドルは変わりつつあります...」

「私たちは世界中の人々にこの国が変わったことを伝え、光を当てたいと考えています」

一部の批評家はこの時期に同国でミス・ユニバースが開催されたことについて、「ブケレ氏の成果を強調する見世物になっている」と批判している。

人権団体も同様の懸念を示し、「ミス・ユニバースの参加者が同国の治安改善をPRすればするほど、国際社会はブケレ政権による弾圧から目を逸らさざるを得なくなる」と主張している。

ブケレ氏は昨年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は7万5000人近くに達し、その大半が裁判を受けることなく刑務所に勾留されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また一連の刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ氏は来年2月の大統領選で再選を目指している。

エルサルバドルの憲法は同一人物が2期連続で大統領を務めることを禁じているが、1期(5年)間隔を空ければ立候補できる。

しかし、高等選挙裁判所は今月初め、ブケレ氏が来年の大統領選に出馬することを認めた。

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