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ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
ハイチ、首都ポルトープランスの避難所(ロイター通信)

中米ドミニカ共和国のアビナデル(Luis Abinader)大統領は6日、隣国ハイチの国境警備を強化し、移民の流入を阻止すると表明した。

アビナデル氏は記者会見で15項目の新たな対策を概説。「両国を隔てる国境の壁建設を加速させ、国境監視のために1500人の兵士を追加配備する」と明らかにした。

またアビナデル氏は移民の入国や滞在を助長する者に対する罰則を強化する刑法改正も進めると強調した。

国連によると、40万~50万人のハイチ人がドミニカに逃げ込み、避難生活を続けている。

ドミニカは昨年10月からハイチ移民の強制送還手続きを加速させ、毎週1万人を送還するという目標を掲げている。

しかし、地元メディアによると、ハイチから流入する移民は後を絶たず、送還手続きが強化された後も増加の一途をたどっている。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は先月初めに勃発。ヴィヴ・アンサムと対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

ヴィヴ・アンサムは先月末、ドミニカ国境近くにある刑務所を制圧。この結果、500人以上の受刑者が脱獄した。

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