◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2024年9月2日/ハイチ、首都ポルトープランス、ギャングを追跡する治安部隊(Getty Images)

中米ドミニカ共和国のアビナデル(Luis Abinader)大統領は25日、国連総会の演説で隣国ハイチの国連PKOミッションが失敗した場合、自国を守るために抜本的な措置を取ると警告した。

アビナデル氏は具体的にどのような措置を取るかは明らかにしなかった。同氏は以前、ハイチ国境を封鎖し、自国に避難したハイチ人を本国に送り返す可能性があると述べていた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

アビナデル氏はハイチPKOを率いるケニアの謝意を示した。ケニアは今年6月に先発隊として警察官400人を派遣。ハイチ国家警察を支援している。

ジャマイカも最近、陸軍兵士と警察官約20人を派遣した。

しかし、国連はPKOの要員と装備が明らかに不足していると指摘。ポルトープランスの治安は悪化していると指摘する専門家もいる。

バハマ、バングラデシュ、バルバドス、ベナン、チャドも部隊の派遣(少なくとも1900人)を表明しているが、時期は明言していない。米国は3億ドルを拠出する予定だ。

アビナデル氏は国連に対し、ハイチで公正な選挙が実施できるよう、必要な要員を派遣し、平和を確立する必要がある強調した。ハイチは2016年以来選挙を実施できておらず、大統領席は空席のままだ。

アビナデル氏は「選挙に必要な条件はまだ整っていない」と述べ、PKOの将来に懸念を示した。「失敗すれば、ハイチは崩壊するでしょう...」

ドミニカ当局によると、同国で教育を受けていない外国人未成年者約20万人のうち14万7000人がハイチ人だという。

政府は昨年、ハイチ人を含む17万人以上を国外追放したと明らかにした。しかし、国連の国際移住機関(IOM)はその数を22万4000人以上と見積もっている。

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