◎ドミニカは現在、ハイチ人へのビザ発給を停止し、さらにハイチとの陸・空・海のすべての国境を1ヶ月近く封鎖している。
ドミニカ共和国政府は9日、隣国ハイチが複数の国境違反を犯していると非難した。
アルバレス(Roberto Álvarez)外相は記者会見で、「国境警備隊がハイチの環境保護団体の攻撃を受けている」と説明した。
地元メディアによると、衝突は7日に発生。島の北部国境付近で数時間にらみ合いが続き、一部の暴徒が国境警備隊に石やビンを投げつけたという。
アルバレス氏は記者団に対し、「敵対勢力はハイチの主権を侵害しようとした」と非難した。「我が国はハイチ政府に対し、自国領の秩序を管理し、国境の緊張を抑えるよう強く強く要請します...」
ハイチ首相府の報道官は9日、ドミニカ政府の発表に関するコメントを避けた。
しかし、同首相は前日、ドミニカの国境警備隊がハイチ領に侵入したと非難していた。
ハイチの現地メディアによると、両国の外相は7日、電話でこの問題について協議し、国境付近の緊張を緩和することで一致したという。
ドミニカは現在、ハイチ人へのビザ発給を停止し、さらにハイチとの陸・空・海のすべての国境を1ヶ月近く封鎖している。
この国境封鎖は両国の国境沿いを流れる河川のハイチ領側における運河建設をめぐる法廷闘争が発端となっている。
ドミニカ外務省は先月、ハイチ国境の一部を部分的に開放したが、ビザ発給は禁止されたままである。
中米最悪の経済危機に見舞われているハイチの市民は就労、教育、観光、医療、その他の目的でドミニカに入国することができず、行き場を失っている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人がドミニカを含む国外に逃亡したと推定している。