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ドミニカ・ハイチ国境で斬首された女性4人の遺体見つかる

今回の事件では発見現場が国境地域であることから、両国関係や地域の治安をめぐる懸念も高まっている。
2022年5月2日/ハイチ、首都ポルトープランスの通り(Ralph Tedy Erol/ロイター通信)

ドミニカ共和国当局は2日、ハイチ国境付近で少なくとも4人の女性の遺体が発見され、そのすべてが首を切断されていたと明らかにした。これは通常の犯罪の枠を超える異常事案として国民の間で衝撃を呼んでいる。今回の事件では発見現場が国境地域であることから、両国関係や地域の治安をめぐる懸念も高まっている。

警察によると、遺体はハイチと国境を接する南部地域で見つかった。警察の報道官は声明で、「被害者はいずれもハイチ人の可能性が高い」と述べたが、現時点で身元の特定には至っていないという。遺体は川沿いで発見されたことから、捜査当局は殺害後に遺棄された可能性があるとみて詳しい状況を調べている。

遺体が見つかった地域はハイチ国境に近いエリアで、これまでも両国をまたいだ密輸や不法移民、犯罪組織の活動が問題となってきた。ドミニカは長年にわたりハイチ側からの移民流入や治安問題への対策に取り組んでおり、政治的・社会的な緊張が続いている。

当局はこのうち1人の死体がドミニカ側で発見されたとして、捜査を進めている。当局は容疑者として1人の男を拘束したが、男は関与を否定し、現時点で起訴に至っていない。ハイチ側の警察当局はこの件についてコメントしていない。捜査は国際的な支援も視野に入れながら進められている。

ハイチでは近年、治安悪化やギャング勢力の台頭による暴力事件が頻発し、市民生活に深刻な影響を及ぼしている。ギャング同士の抗争や略奪、誘拐などが横行し、この数年間で数千人が死亡したとされる。国連や各国の安全情報でも、ハイチ全土で危険度が高く、退避勧告が出されるほどである。

今回の遺体発見はこうした背景を持つ国境地域の治安問題と無関係ではないとみられている。ドミニカ国内でも治安当局が対応に追われており、国境付近の警備強化や捜査員の増派が進められている。関係者は地域住民への安全確保と同時に、真相解明に向けた迅速な調査が求められていると指摘している。捜査が進むにつれて、被害者の特定と事件の全容が明らかになる見通しだ。

ドミニカ当局は市民に対し、不要不急の国境付近への接近を控えるよう呼びかけ、治安維持と地域の安定に向けた取り組みを継続していく方針を示した。

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