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メキシコ列車脱線事故、遺族が真相究明求める、13人死亡、110人負傷

事故は南部オアハカ州とベラクルス州を結ぶ路線で発生、13人が死亡、110人余りが負傷した。
2025年12月28日/メキシコ、オアハカ州、列車が脱線した現場(AP通信)

メキシコ南部オアハカ州で12月28日に発生した列車脱線事故をめぐり、被害者の家族らが原因究明を求めて声を上げる中、当局が徹底した調査を約束した。

事故は南部オアハカ州とベラクルス州を結ぶ路線で発生、13人が死亡、110人余りが負傷した。列車は太平洋とメキシコ湾を結ぶ路線を走っており、事故当時、乗客・乗員250人が乗っていた。

列車はオアハカ州内のカーブ付近で脱線、複数の車両が急斜面を転げ落ちるなどして大きな被害を出した。現場付近の映像には、客車が密林の中に転落し、横倒しになっている様子が映っていた。軍・警察・その他関係機関が出動し、救急車やドローンなどを用いた捜索・救助活動が行われた。

被害者や遺族らは政府に対し、徹底した説明と原因究明を強く求めている。特に、15歳の娘を失った父親は「情報がほとんど伝えられず、家族は大変な苦しみの中にある」と語り、当局からの具体的な説明を強く要求している。母親もSNSで娘の行方を必死に呼びかけていたが、悲報を受け取ったという。

一部の生存者は事故直前に列車がカーブを高速で走行していたと証言している。16歳の息子と乗車していた父親は、走行中に急カーブで列車が速すぎたと話しており、母親は複数の骨折、息子も脚や額に大ケガを負った。父親は自ら息子と妻を救い出すなど、混乱の中で必死の行動を取ったと伝えられている。

シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は29日の定例会見で現地に赴く意向を示し、「被害者の救護が最優先であり、その後事故原因を厳格に調査する」と約束した。

またシェインバウム氏は専門家や関係当局が詳細な調査を進めるとし、憶測に基づく噂を避けるよう促した。

この路線は2023年に開業。政府が太平洋と大西洋を結ぶ重要な交通インフラとして整備したものだ。だが事故を受け、インフラの安全性や建設・運行管理の在り方に対する批判が高まっている。今後の調査で原因が明らかになれば、同様の事故を防ぐための制度や運行体制の見直しが求められる可能性がある。

被害者家族は事故の全容が解明されるまで説明責任を果たすよう政府に求め続ける構えだ。救援活動や被災者支援と並行して、事故原因についての透明性ある情報公開が強く求められている。

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