キューバ首都でトランプ米政権に抗議するデモ、自転車や電動三輪車で行進
デモは海沿いの通りで実施され、参加者は国旗や横断幕を掲げながら在米国大使館前を通過した。
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キューバの首都ハバナで2日、米国の制裁に抗議するデモが行われ、市民らが自転車や電動三輪車に乗って市内を行進した。燃料不足が深刻化する中、車両ではなく人力や電動の移動手段を用いた点が特徴で、米国による経済的圧力への不満を象徴する行動となった。
デモは海沿いの通りで実施され、参加者は国旗や横断幕を掲げながら在米国大使館前を通過した。抗議の対象となったのはトランプ政権下で強化された対キューバ制裁、石油供給を制限する措置が国内経済に大きな打撃を与えている。
キューバでは現在、燃料不足により停電が常態化し、公共交通機関の運行も大幅に制限され、市民生活に深刻な影響が出ている。こうした状況を背景に、今回のデモは通常の政府主導の大規模集会に比べ規模が小さく、移動手段も制約される形となった。
行進にはディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領も参加したが、演説は行わなかった。参加者の一部は米国との対話自体には前向きな姿勢を示しつつも、国家主権の尊重が前提であると強調した。ある若い参加者はAP通信の取材に対し、「真の対話は可能だが、国の自立は守られるべきだ」と訴え、対米関係の改善と現状への不満の双方を表明した。
今回の抗議の前日には共産党の外交官が米国に対し、経済再建に向けた協力を呼びかけていたが、具体的な進展は見られていない。制裁を巡る対立は続いており、両国関係は依然として緊張状態にある。
一方で、欧米の制裁対象であるロシア船籍のタンカーが約70万バレルの原油をキューバに輸送し、一定の供給緩和が期待されている。米国はキューバへのロシア産原油輸入を禁じているが、今回は人道的理由から入港を認めた。ただし、こうした例外措置は一時的なもので、根本的な燃料不足の解消には至っていない。
キューバでは近年、燃料危機の影響で電動車両や自転車の利用が急増し、移動手段の転換が進んでいる。今回のデモはこうした社会変化と経済的困難を背景に、制裁の影響を国内外に訴える象徴的な行動となった。制裁解除を求める声と対話への期待が交錯する中、今後の米キューバ関係の行方が注目される。
