キューバ市民「生き延びるために自給自足」トランプ圧力激化
トランプ政権は共産党に対する経済制裁を強め、国内の弱体化を図ることで政権転覆を促す姿勢を鮮明にしていると専門家は指摘する。
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キューバでは米国による経済的圧力の強化が市民生活を直撃し、人々が生き延びるために自給自足へと舵を切っている。トランプ政権は共産党に対する経済制裁を強め、国内の弱体化を図ることで政権転覆を促す姿勢を鮮明にしていると専門家は指摘する。
これまで米国の制裁はキューバ経済を締め付けてきたが、さらに事態を悪化させたのが主な燃料供給源であったベネズエラからの石油輸送の停止だ。米国によるベネズエラへの軍事作戦と大統領拘束により、原油の供給が途絶し、キューバ国内では電力不足や燃料不足が深刻化している。
エネルギー危機の影響で停電が常態化し、人々は電気に頼らない生活様式を模索している。首都ハバナから郊外の農村地帯へ移住した男性は停電を避けるため、木炭や薪で料理をする生活に戻した。男性はAP通信の取材に対し、ガソリンや薪、食料を備蓄し、過去に売却した馬の再購入も検討していると語った。「燃料がいらない馬が必要だ。我々は昔の生活へ戻るべきだ...」
一方、停電対策として太陽光パネルの導入も広がっている。自ら小規模事業を始めたエンジニアは、友人やSNSの助けを借りて独学で太陽光システムの設置技術を習得し、ハバナを中心に稼働を拡大しているという。需要の急増は石油供給の混乱が市民に及ぼす影響の大きさを物語っている。
こうした動きを背景に、日常生活ではガソリンの購入に長時間待たされる光景も見られるなど、燃料不足は深刻な生活難を引き起こしている。73歳の退役パイロットは、「燃料がないなら自転車で生活するしかない」と語り、過去の辛苦を思い起こす市民も多い。
米国の政策は一段と強化されている。トランプ政権はキューバに石油を供給する国からの輸入品に対し追加関税を課す大統領令に署名したほか、キューバ共産党を国家安全保障上の脅威と位置づけ、支援国への圧力を強めている。
キューバ国民の多くは外部から押し付けられる変化に対して反発を示しつつも、厳しい現実に対処する術を模索している。若い大学生は、国民的英雄ホセ・マルティ(José Martí)を称える行事に参加し、「恐れずに前に進み繁栄を望むのは我々自身だ」と語った一方で、共産党の統制が依然として強い中で抗議行動は限定的にとどまっている。
市民は停電や物価高騰といった日常的な困難に直面しつつも、自給自足や新たなビジネスの模索を通じ、国際社会と米国の圧力の中で生き抜こうとしている。経済的な逼迫感は増しており、将来への不透明感が漂っている。
