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キューバ燃料危機、絶望感漂う、米国との緊張高まる中

島の沿岸都市サンタクルスデルノルテでは国内最大級の火力発電所が稼働する地域にもかかわらず、住民は日々計画停電の影響で暗闇に包まれ、薪や石炭で調理を強いられている。
2026年2月3日/キューバ、首都ハバナ郊外の民家(AP通信)

キューバでは電力供給不足による停電が全国的に続き、多くの市民が困難に直面する中、米国との関係悪化が事態をさらに深刻化させている。島の沿岸都市サンタクルスデルノルテでは国内最大級の火力発電所が稼働する地域にもかかわらず、住民は日々計画停電の影響で暗闇に包まれ、薪や石炭で調理を強いられている。

この町は首都ハバナの東方に位置し、石油産業と発電プラントをかかえる地域だが、発電所が部分的に稼働しているにもかかわらず電気が十分に供給されない状況が続いている。多くの家庭では電力不足が慢性化し、基本的な生活インフラが機能しない状態となっている。停電は全国で深刻な問題となっており、電力網の老朽化と燃料不足が背景にあるとみられる。

地元住民は子どもたちと共に暮らす自宅で燃料として使う薪を得るため、浴室の木製扉を剥がすなど生活必需品の調達に苦労している。AFP通信の取材に応じた女性は「状況はさらに悪くなっている。石油も食料も供給されない。私たちはどう生きろというのか」と語った。地域の石炭供給も減少し、次に何で調理するかすら不透明な家庭が多い。

この電力危機は米国とキューバの対立が激化するなかで起きている。トランプ(nald Trump)米大統領はキューバに石油を供給する国に対して関税を課すと脅し、ベネズエラからの石油供給が大幅に減少すると声明を出した。トランプ氏は「キューバは今や失敗国家だ。彼らはベネズエラからも、どこからも金を得ていない」と述べ、米国の対キューバ圧力を強めている。

一方、キューバ共産党は国内の石油備蓄や燃料供給について詳細を明らかにしておらず、ベネズエラ以外の国が供給を拡大するかどうかについても発表していない。キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は現在の状況を「複雑」と表現し、米国の姿勢を「攻撃的かつ犯罪的」と批判した。また輸送や病院、学校、観光、食料生産など様々な分野が影響を受けていると述べ、対応策について週内に詳細を示すと述べた。

国際的な動きとしては、ロシア外相との電話会談をキューバ側が歓迎するとした一方で、詳細は公開されていない。またメキシコが食料などの人道支援を送る意向を示したと伝えられるが、これも石油供給への直接的な解決策には至っていない。

停電と経済危機の影響は生活全般に及んでおり、物価の高騰や基本物資の不足が深刻化している。サンタクルスデルノルテ在住で月6ドルの年金を受け取っているという67歳男性はAP通信に、「どうやって生活するのか」と嘆いた。

市民の間では日常の中で小さな喜びを見出そうとする動きもあるものの、多くの市民は電力不足という根本的な問題が解決しない限り、厳しい生活が続くと感じている。電力供給の回復や対外支援の拡充が待たれる中、キューバ国内の不安は増す一方だ。

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